妊娠中の仰向けにはご注意!仰臥位低血圧症候群
妊娠後期に入るとお腹が大きくなってきた関係で
今まで楽だった仰向け姿勢が辛くなってくることがあります。
こんな自覚症状を感じたことはありませんか?
- 気持ち悪くなってきた
- 悪寒がする
- 眩暈がする など
ひどい場合には、呼吸困難や意識がもうろうとするという方もいます。
これは胎児の重さで、心臓に戻る血管が圧迫されたことによって起こる
「仰臥位低血圧(ぎょうがいていけつあつ)症候群」という症状になります。
今回は妊娠後期で起こりやすい仰臥位低血圧症候群についてと、その対処法についてお話しをしていきます!
仰臥位低血圧症候群とは?
仰臥位低血圧症候群とは、心臓に血液が戻るための血管が胎児の重さによって圧迫されて
血流循環が悪くなったときに起こる症状です。
心臓に戻るための血管は、背中の骨の右側を通っています。
妊娠後期に入ると胎児が重くなってくる関係で、仰向けになると胎児の重さによって血管を圧迫してしまうことがあるのです。
すると、心臓に戻るはずの血液が圧迫によってうまく戻れずに、全身に流れる血液の循環が悪くなって低血圧を起こします。
低血圧の症状
- 頻脈
- 悪心
- 嘔吐
- 冷や汗
- 顔面蒼白 など
場合によっては意識が遠のく場合も…
できる予防!「シムス肢位」
先ほど圧迫している血管は”右側を通っている”とお話ししました。
右に負担をかけないようにしたいので、左を下にする横向き(左側臥位)になってもらうことで
血管の圧迫を防ぐことができます。
もしかしたお医者さんに勧められたことがあったかもしれませんが、左を下にして寝るのにはこういった理由があったのです。
シムス肢位とは?
左を下にして横向き姿勢になります。
横向きになった時に、長めの抱き枕か、クッションを2つ用意して
胸の前で抱く用のものと、足に挟む用に使います。
右を上にしている股関節は軽く曲げた状態にして、クッションを挟むことで
リラックスした状態で横向き姿勢を作れます
しかし、
そんな万能に見えるシムス肢位も気をつけなければいけないことがあります。
シムス肢位の落とし穴
仰臥位低血圧症候群の予防になるシムス肢位。
一見負担の少なさそうな姿勢ですが、実は気をつけないといけない落とし穴があるのです。
シムス肢位を続けていくことで、人によっては
- 股関節の痛み
- 骨盤周りの痛み
- 尾骨の痛み
- 恥骨の痛み など
上記ような症状を引き起こすこともあるのです。
シムス肢位を初めてから、産後もこのような痛みに悩まされている方もいるのではないでしょうか?
次回のブログではシムス肢位で気をつけてほしいことについてブログを書きます。
まとめ
妊娠中は体の変化が大きく、その中でも共通して気をつけなければいけないことや
妊娠後期には多くの人が症状として出やすい「仰臥位低血圧症候群」について書きました。
心臓に戻るための血管が圧迫されることで引き起こる症状なので、原因を知って予防をすれば問題ありません。
しかし
予防するための姿勢(シムス肢位)には気をつけなければいけないことがあります。
多くの人が妊娠後期〜産後にかけて悩まれされる症状の一つには
気づかないうちにご自身で負担をかけてしまっている場合があるのです。
次回はシムス肢位で気をつけてほしいことについて書いていきます。
最後までありがとうございました!
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